やっぱりいた。
廃墟の薄明かりの中に一年前と同じ格好でカッパちゃんが座っていた。
正直、これを見た時、ホントに泣きそうになった。
君はこのままここで朽ち果てていくつもりなのかい?
それが自分の運命だったとそういうつもりなのか。
潰れた遊園地の奥底で、二度と来ない時を待って眠るマスコット。
切なすぎてそれ以上探索する気にもなれず、そのまま外に出た。
別の建物を探索していた髑髏船長が手招きする。
チケット売り場のすぐ側にある食事どころを探索していたようだ。
近づいてみると、食品サンプルが外に出してあった。
うーん、どうやら思いの外に侵入者がいるみたいだなあ。
あっちこっちに荒らされた形跡があった。
なんだかなあ。
去年、から揚げ棒やアメリカンドックを食べたスナックコーナーのガラスも
何者かによってバリバリにされていた。
閉鎖された建物に最初に進入してくるのはこういう破壊者なのだろうか。
どうもどの廃墟も廃墟マニア以外に破壊マニアの人が訪れている形跡がある。
僕らの知らないところで廃墟マニアと破壊マニアたちが暗躍する密かな戦いがあるのかも知れない。
いくつか廃墟を回って気づいたことだけど、
破壊者たちは基本的にお金のありそうなところから破壊を始める。
レジスターや自動販売機なんかは100%破壊されてる。
機械人形たちにも破壊の手は伸びていた。
しかしレプリカとはいえ御神籤を出す社まで破壊できるセンスは凄い。
罰とか人の迷惑とか考えてないんだろうなあ。
まぁこうやって侵入している奴が言うことじゃないか。……妄想だけどね。
ただ見たいだけなんだけどね。妄想で我慢我慢。
ビックリ迷路やケーブルカーのある辺りに行ってみる。
結構荒れていた。人がいないだけでこんなに草木が伸びてくるんだなあ。
無謀にも迷宮の中に入っていく髑髏船長を放っておいて、従業員しか入れない箇所を覗く。
ストーブや湯飲みなど、備品なのか私物なのかわからないけどいろいろ残っていた。
ドアにはぬいぐるみも下がったまま。
なんというか、ぬいぐるみぐらいは持ち帰って欲しかったなあ。
廃墟で見ると切なくなるものの個人的No.1です。
とはいうものの、実はカッパピアのあちこちでこのぬいぐるみのたぐいを見てしまうハリ。
しばらく「そういやここらへんで2chの突発OFF板の人たちに目撃されたんだよなあ」とか
感慨にふけっていると、「やっぱ無理ッ」と髑髏船長が帰って来る。
「いやーこの中まで探索してたら日が暮れますね」
こんなときに迷宮探索するなよ。
プールの方に向かって歩き出すと、見覚えのあるものが置いてあった。
あ、去年もここで写真撮ったよね、ファミコン君。
日付は言うまでもなく、最後の営業日。
これもそのままにしてるんだ……。
もうこの日付が変わることもないんだね。うーん切ない。
さらに進むと道に人が倒れてた。
一瞬、本気でびびる。
よくみたら銀河鉄道かなんかのところにいた駅員さん人形だった。
こんなところに放置すんなよう。
もう視界に入るたびにびびりまくる。
多分、破壊者の仕業なんだろうなあ。びびってしまう自分にむかつく。
このあとにもさらに一体人形が捨てられていた。
こっちは首が撥ねられていた。
だからびびるつーの。
それにしてもかつての姿を知っている廃墟って想像以上に切ないなあ。