それにしてもかつての姿を知っている廃墟って想像以上に切ないなあ。
見た目はそんなに変わったとは言いにくい。
カッパピア編でも再三書いた様に、半ば廃墟的な遊園地だったのは確かだ。
こういう写真を見ても営業時とそんなに変わらない気がする。
それでもここは確かに廃墟なのだ。
営業時とはあきらかに違う廃の香りが渦巻いている。
もっともっと荒れ果てて、草木が線路や建物を覆い尽くす様になったら、
この姿を受け入れられるようになるかなあ。
初めて訪れる人はこの廃墟になる前から廃墟の空気を持っていた遊園地を楽しめるだろうけど、
生前の姿を知っている人は、もう少し過去を忘れさせるようになるまで待った方が良いかも。
廃の香りにまぎれて生前の匂いが漂う。
なんというか。必要以上に切なさが溢れる廃墟だ。
やっぱりなりたて廃墟だなあ。大型新人なんだけど。
釣り堀やうさぎ小屋があった辺りが閉鎖されていた。
そういやここってかなりの動物がいたんだよな。
閉園後もそのままいるって情報訊いてたんだけど、どうなったんだろう。
かつては象まで飼ってたらしいからね、ここ。
あーそうだ、猿の劇場が営業時からすでに廃墟になっていたっけ。
そもそも営業している時から廃墟化している建物があるってのがここの凄いところだった。
去年見ることが出来なかったメルヘン館(別名・メンヘル館)は板でふさがれていた。
むう、中がどうなっているのか見たかったのになあ。
噂では凄いことになっているらしい。
板の割れ目から中を覗いていた髑髏船長がギョッと声をあげる。
「すげえ怖い白雪姫と目が合った!」
怖そうなのでおいらは覗きませんでした。
ところでここってディズニーとの版権はどうなってたんだろう。
メルヘン館の周りを探索しているとノートが落ちているのを発見。
雨ざらしになってボロボロだ。
日付と数字が並んでいるところを見ると、入場者数か売り上げの記録ってとこだろうか。
勿論、11月30日でその記録は終わっている。
最後の週末はかなりお客さん来てたようだ。
こうやって放置される他ないノートに記録をするのってどういう気分だろう。
だって記録とったところで次の日から必要ないのだよ。
「もし世界の終わりが明日だとしても、私は今日林檎の種をまくだろう」
なんていう古い詩を思い出した。
いろいろな物が残されているところを見ると、
もしかしたら従業員たちは再開を信じていたのかもしれないなあ。
でもこの通り、みるみるうちにカッパピアは廃墟になっていく。
廃墟はやはり一方通行の過去なのだ。
写真をとることよりも感慨にふけるようにカッパピアを歩く。
髑髏船長「……なんか話し声しません?」
……まじで?
耳を澄ますと今、目指しているプールの辺りから二人組の話し声が。
しかも段々近づいて来る。
こ、これは結構近くに人がいる。
髑髏船長「撤収しましょう!」
残念ながら、センチメンタルな廃墟探索はここまでらしい。
もと来た道を早足で戻る我々。
お、パターゴルフコーナーにいい感じに錆びたパターが。
ちょっとファミコン君と一緒に撮るか。
そう思って鞄から出て来てもらおうとごそごそやっていると、
「そんな馬鹿なことしてる暇ないっすよ!」
と髑髏船長が我がサイトの主要コンテンツを根本から否定。
そんな馬鹿な……こと……か。
しかたなく、ファミコン不在での撮影。
そして撤収。
ここにはまた来るような気がする。
その時はどうなっているのかなあ。
なにはともあれ。またくるぞカッパピア!
気分はマッカーサーかターミネーターで柵を乗り越えた。